江戸末期の石工 丹波佐吉

丹波柏原の石工で難波金兵衛この弟子で、丹波佐吉と呼ばれた石工が江戸末期に砂岩系の石・安山岩系の石・花崗岩系の石で、かなりの数狛犬を彫っている、現在(平成26年正月)二十組の狛犬が確認されている。

金兵衛の元で職人としての修行を経て、旅職人として大阪の石屋で仕事をいていた時に職人仲間と、石の笛を彫る、競争をし見事な石笛(尺八)を彫り上げた逸話がある。
この石笛ちゃんと鳴ったと言う。後に、天皇に献上され何処かの宝物殿に、保存されている(行方不明と言う説も・・・・)

西  暦 紀 年 銘 神  社  名 所  在  地
1847 弘化四年 天神社 滋賀県東近江市
1852 嘉永五年 平井八王子神社 奈良県宇陀郡
1853 嘉永六年 丹生川上神社中社 奈良県吉野郡
1854 嘉永七年 神楽岡神社 奈良県宇陀郡
1854 嘉永七年 宇太水分神社 奈良県宇陀郡
1855 安政二年 久米御縣神社 橿原市
1856 安政三年 春日神社 奈良県橿原市醍醐町
1857 安政四年 素盞鳴社 奈良県生駒郡
不明 不明 阿波神社 奈良県生駒郡
1858 安政五年 十二社神社 奈良県大和高田市藤森
1859 安政六年 杵築神社 奈良県磯城郡
1859 安政六年 八幡神社 奈良県磯城郡
1860 安政七年 御霊神社 天理市
1860 萬延元年 蛭子神社 奈良県大和郡山市西町
1860 萬延元年 五社神社 奈良県宇陀市榛原区八滝
1861 文久元年 丹波柏原八幡神社 兵庫県氷上郡
1861 文久元年 春日神社 奈良県北葛城郡広陵町沢
1862 文久二年 兵主神社 岸和田市
1863 文久三年 神岳神社 奈良県生駒郡
不明 不明 摩気神社 京都府園部町

※佐吉狛犬の流れ嘉永五年〜文久三年


石の尺八を彫り、日本一の名声を得、以後「照信作・花押」を作品に彫るようになる。
狛犬・石仏・灯篭等石の建造物が、百五十年以上経った今でも残っていて、
幕末の石工丹波佐吉が当時、どんな仕事をしていたか知る事が出来る。
丹波(村上)佐吉
観音山 西国三十三観音
グループ 札番号
《1》 1 2
《2》 3 6 25
《3》 4 22 23 26 29
《4》 5 9 13 28 30
《5》 6 10 14 15 20 27
《6》 7 21 31 32 33
《7》
《8》 11 17 18 19 24
《9》 12 16
嘉永五年から安政二年にかけ、奈良県宇陀平井(大師山)で八十八ヶ所霊場を完成させた後、三重県亀山市関(観音山)で西国三十三観音霊場の石仏群を手掛けていた。
東海道関宿の観音山中腹の祠に入れてあった為、保存状態はとても良い、約三年かけ(途中で狛犬も手掛けていた)彫り続けたが、師匠難波伊助の訃報により丹波へ帰り、残した仕事があったのでは。

元は山中、三十三箇所に祀られていたのを、近年九箇所に集め岩盤をくり貫いた石祠等に入れ金網・鉄格子で保護してあるが、近くで拝観することは出来る。

※一部に、番号札・仏像名の不備があります。






西  暦 紀 年 銘 神社・寺院名 所在地
1835 天保六年 伊助との合作 神前灯篭 兵庫県柏原町大新屋天神ノ下
1853 嘉永六年 大燈寺 聖観音座像 兵庫県青垣町稲土
1854 嘉永七年 宇太水分神社 神前灯篭 奈良県宇陀市菟田野
1854 安政元年 関観音山 西国三十三観音 三重県亀山市関町新所
1855 安政二年 平井大師山 四国八十八ケ所石仏 奈良県宇陀市菟田野区平井
1855 安政二年 法正寺 合掌地蔵 奈良県宇陀市大宇陀上新
不明 不明 徳源寺 布袋像 奈良県宇陀市大宇陀区岩室
1859 安政三年 楊谷寺  十一面千手観音 奈良県大和郡山市矢田 
1856 安政五年 飛鳥道標 道標 近鉄飛鳥駅 裏西
1856 安政五年 北山稲荷 兵庫県柏原町大新屋
不明 不明 大峰山宝篋印塔 役の行者像 奈良県橿原市小槻町
1865 元治元年 舎利尊勝寺 西国三十三所石仏(二体) 大阪市生野区舎利町



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