丹生川上神社中社(奈良県)

 1853年(嘉永六年)
八王子神社から一年二ヵ月後、一回り大きな狛犬を手掛けている。
拝殿から神殿に続く石段の途中に在り、側に寄って観察したかったのだが、断念、しかし雰囲気は十分伝わる。

全体に苔が付き細部の彫りは見難いが、百五十年経っても余り風化してなく、欠けも見当たらない。全体に丸く軟らかい彫りだが蹲踞の姿勢で、胸を突き出し威嚇する姿は初期の佐吉狛犬の共通するスタイルになっている。

此処の神社は二本の河川合流点に在り、いかにも神社が在りそうな場所で、神様が住んでいると言われると納得する場所に在る。

戻る 次へ