宇太水分神社(奈良県)


1854年(嘉永七年)
『安政伊賀上野地震』の最中に彫ったと伝えられる狛犬。佐吉の作業中ずっと地震が続き完成建て上げ後、一ヶ月ほど静かになったが、この後大地震に見舞われこの地方は大被害を被った。
左側狛犬、後ろ足台座の欠け・舞台数箇所の欠けは地震の被害ではないだろうか。

浪速狛犬の発展型、丹波佐吉がオリジナルで彫り上げた逸品。
八王子神社の狛犬から四作目、四年にしてほぼ完成の域に達したと思える。丹生川上神社の狛犬と甲乙つけ難い。当時の浪速狛犬と比べると各パーツは小さく、彫りも誇張した所がなく流れる様な体のライン、和泉砂岩の選りすぐった最良の石を使っているので風化もしていない。

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