巽彫刻

愛知県岡崎市の狛犬屋 『巽彫刻』 当工房では日本全国の石材店に狛犬を販売しております。花崗岩で狛犬を彫り続けている石職人です。

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浪速(浪花型)狛犬

江戸時代、大阪西横堀と堺に石工の集団があり、産地を形成していた。
近隣の原石を船便で取り寄せ加工し製品にして出荷し、中でも石細工を生業とした石工が狛犬を彫り始めたのが浪速型狛犬。
大阪産地で量産され各地へ船便で運ばれた。基本形は住吉型狛犬を継いでいる。 軟らかく彫り易い和泉砂岩を使用し、寛政年間(1791年)から大阪市内での奉納が増え、文政年間(1721年)にピークをむかえる。徐々に近郊の奈良県や京都へ販路を広げ、和歌山・三重・愛知県西部まで運ばれていた。又、北前舟の帰り荷として九州や日本海沿岸各地・北海道まで運ばれている。
幕末から明治にかけモデルチェンジをし、滋賀県や愛知県西部に浪速型狛犬を受け継いだ職人が現れ大正末まで盛んに彫られたが、原石の供給が止まり生産も終わった。

 

【元和元年(1616年)】 御霊神社 大阪市中央区

【元和元年(1616年)】 御霊神社 大阪市中央区

 

【元和元年(1616年)】 御霊神社 大阪市中央区

 

【元和元年(1616年)】 御霊神社 大阪市中央区

 

大阪で参道に現存する最古の青銅製狛犬。大谷相模上掾藤原正次作。 右獅子・左狛犬(角付)で一対とする様式は後の石製狛犬に影響を与えている。この狛犬を見て大阪の石工達は石に置き換えて狛犬を彫ったのだろうが。この尻尾はお手上げだったろう。デザインを変えて横に開いた団扇型で、尻尾のボリュームを出し江戸期の浪速狛犬の特徴にしたのではないだろうか。

 

【天保3年 (1832年)】 春日神社 桑名市

【天保3年 (1832年)】 春日神社 桑名市

 

【天保3年 (1832年)】 春日神社 桑名市

 

【天保3年 (1832年)】 春日神社 桑名市

 

船で三重県まで運ばれた浪速狛犬。桑名は東海道桑名宿七里の渡し場になる。

 

【安政6年5月(1859年)】 杵築神社 天理市二階堂

【安政6年5月(1859年)】 杵築神社 天理市二階堂

 

【安政6年5月(1859年)】 杵築神社 天理市二階堂

 

【安政6年5月(1859年)】 杵築神社 天理市二階堂

 

浪速狛犬で尻尾が七本に枝分かれし、中心に渦巻きの無いタイプ。石工により彫り方を変えている。

 

浪速(住吉型)狛犬

元文元年(1736年~)木彫狛犬の『獅子・狛犬様式』を花崗岩で表現した狛犬で、堺市を中心に四国琴平町や名古屋市熱田区等に建てられている。『獅子・狛犬様式』とは 向って右側が『阿』で、口を開けた獅子で体毛は巻き毛で表現する。左が『吽』で、口を閉じ頭に角が付き、耳は立ち体毛は直毛で表現する。仏教の経典の中に獅子の項目が有り、文殊菩薩が載った獅子は日本的に味付されているが、ライオンをイメージできる狛犬は何所から来たのか・・・。仏師が創作した日本の獣・・・・。

 

【元文元年(1736年)】 住吉大社 大阪市住吉区

【元文元年(1736年)】 住吉大社 大阪市住吉区

 

【元文元年(1736年)】 住吉大社 大阪市住吉区

 

【元文元年(1736年)】 住吉大社 大阪市住吉区

 

大阪で現存する石製狛犬では二番目に古い狛犬。堺の石工、男里屋市兵衛が本御影石(約四尺)で彫ってある。
住吉型狛犬の元になる狛犬で、堺の石工達もこの狛犬を手本にして彫り始めた。花崗岩製が多く風化もなく、状態のよい狛犬が多く残っている。

 

【寛政元年(1789年)】 住吉神社 名古屋市熱田区

【寛政元年(1789年)】 住吉神社 名古屋市熱田区

 

【寛政元年(1789年)】 住吉神社 名古屋市熱田区

 

【寛政元年(1789年)】 住吉神社 名古屋市熱田区

 

大阪から海を渡って運ばれた住吉型狛犬。東海道の熱田宿七里の渡し近くの住吉神社にこの狛犬が建てられている。奉納したのは大阪の商人で石灯籠も同時期に建てられている。全部の神社を回ってはいないが名古屋の参道狛犬では一番古いのではないだろうか。

 

【宝暦10年6月(1760年)】 大江神社 大阪天王寺区

【宝暦10年6月(1760年)】 大江神社 大阪天王寺区

 

【宝暦10年6月(1760年)】 大江神社 大阪天王寺区

 

【宝暦10年6月(1760年)】 大江神社 大阪天王寺区

 

花崗岩で彫られた古いタイプの狛犬は尻尾が体から離れてない。技術的に発展途上で尻尾の装飾が遅れていた。『阿』の口の中はギリギリ開いているが途中で止まっている。徐々に専用の道具が作られ、細かく彫れるようになる。

 

江戸狛犬(子付き) 『牛島神社』嘉永5年(1852) 東京都文京区春日