江戸狛犬(宝珠) 『筑士八幡神社』東京都新宿区 文化7年(1810)
江戸で発祥した宝珠狛犬の代表型、寛政年間ごろから彫られ、『諸職画鏡(しょしょくえかがみ)』の出版で全国に宝珠狛犬のイラストが出回り、四国・金比羅宮、高松市内、福岡県柳川市・三柱神社等に姿を変えた宝珠狛犬が建っている。
|
江戸狛犬(獅子山) 『新勝寺』千葉成田市成田 建て年号不明
本小松石が原石で手間は掛かるが造り込みで素晴らしい狛犬になる、江戸石工の技術は伝承され明治まで続いた、大正になり花崗岩製の量産型狛犬も建てられ始めた。
タイプの違う狛犬が七対と犬が三対建っている、京都の北の天満宮と甲乙つけがたい、数では北野天満宮(牛を含む)だが豪華さでは新勝寺を上げる。
江戸の狛犬文化は独自に進化し近隣の神社に広がり、地元石工にも影響を与え競って狛犬の奉納ブームが起きた。
江戸狛犬(尾下がり) 『荏原神社』明治29年(1896) 品川区北品川
江戸狛唐獅子タイプの名品狛犬、明治維新以後世の中が落ち着くまで、この職人は腕を磨いたのだろう、完璧な狛犬に仕上がっている。
|
江戸狛犬(子付き) 『牛島神社』嘉永5年(1852) 東京都文京区春日
子付き(授乳タイプ)で宝珠狛犬、左(吽)角付きで右(阿)、諸職画鏡(しょしょくえかがみ)の修正版になる狛犬、不思議なのは左の狛犬が嘉永五年(1852)の奉納で、右が文化六年(1809)と台座に刻まれている四十三年の差は何を意味しているのか、比べてみても同じ石工の作に見える。
江戸狛犬(尾立て) 『亀岡八幡宮』 文化元年(1804) 東京都新宿区市谷八幡町
江戸狛犬の中で初期のはじめ狛犬から発展し、尾が立ったタイプの狛犬、石工により味付けは違うが大正頃まで彫られていた。